新人が語る心に残る看護場面
2021.09.03 散歩
数週間前のことです。私は必要なケアの多さに戸惑っていました。その日、ペアになった先輩がAさんへ「車いすに乗って散歩に行きましょう!」と提案しました。私は正直、やらなければいけない業務が多く余裕がない中、車いすに乗り移るのも大変なAさんを散歩に行くことはできるのだろうか、と思っていました。
そして午後、AさんとBさん、私とペアの先輩とで遊歩道へ散歩に行きました。病室では痛みで顔をしかめていることが多かったAさんは、「気持ちいいね。」と満面の笑みを見せてくださったのです。また一緒に散歩に来たBさんも、外の木々を目で追いながら口元を緩ませていました。そしてご家族が面会に来た時に、散歩の様子の写真をお見せすると、とても喜んでくださいました。
忙しい中でも患者さん一人一人と向き合うことで、こんなにも患者さんとご家族を笑顔することができるのだ、と改めて気づかされた貴重な経験でした。