新人が語る心に残る看護場面

2021.10.18 笑顔

当時、私が受け持っていた患者さんたちはトイレが頻回な方が多く、私はその他の業務とトイレ介助に追われていました。ある時、Aさんからいつものように「トイレに行きたいです」とナースコールがあり、Aさんのもとへ行きました。私がAさんのお部屋に入り声をかけると、「忙しいのにごめんなさいね。でもあなたは忙しい時も、いつも笑顔で来てくれるからうれしいわ。安心する。声かけやすいの。看護師さんが忙しいのは私もわかっているけど、私たちって頼れるのはあなたたちしかいないじゃない。だからムスッとした態度をとられると、こっちも嫌な気持ちになるし困るのよ。だからいつも笑顔でいてくれてありがとうね。」とおっしゃってくださいました。私は患者さんは私たちの行動や言動、表情をしっかり見ているんだなと思いました。

忙しい時、私も心に余裕がもてず「またトイレか」「早く動いてほしいな」と思ってしまい、つい笑顔を忘れてしまうこともあります。このAさんとの会話の時の笑顔は、無意識だったと思います。しかしAさんの言葉から、病院内で患者さんにとって身近な存在は私たち看護師であり、何かあったときすぐに声をかけてもらえる存在でいなければならないな、と改めて感じました。

バックナンバー

2024.11.12 患者さんに寄り添うこと

2024.08.15 聞くという看護

2024.07.08 信頼関係を築く上で大切なこと

2024.06.11 産婦さんとの関わり

2024.01.11 足湯

2024.01.11 プリセプターからの教え

2023.12.01 術前訪問

2023.12.01 コロナ禍での看護

2023.10.30 患者さんから教えてもらったこと

2023.10.30 患者さんの望みを尊重した関わり