新人が語る心に残る看護場面
2021.10.18 辞めちゃだめだよ
入職して半年ほど経ったときの話です。糖尿病で教育入院をしていたAさん。その日はパンフレットを用いて看護師から指導を行う日でした。私はAさんに「〇時に指導を行いますね。」と声をかけました。しかし他の業務が重なり、その時間に指導を開始することができませんでした。やっと時間が空いてAさんのもとへ行くと「〇時にやるって言ってたのに全然来ないからどうしちゃったのかと思ったよ。看護師さんが忙しいのは知ってるけど、僕だってやることあるんだよ。暇そうに見えるかもしれないけど。看護師さんが来るって言った時間に来なかったら、僕だってやりたいことできずに、ずっと待ってないといけなくなるでしょ。」と注意を受けました。
その時私は、時間内に業務を終わらせることに精一杯でした。そんな時、Aさんに注意を受けたのです。自分は、自分のペース・都合で業務を進めてしまっていることに気が付きました。看護は患者さんとの信頼関係の中で成り立つ仕事です。自分本位では、患者さんも不信感を抱いてしまうと思います。私もAさんの立場だったら、憤りを感じるし、信用できないなと感じてしまうと思います。忙しいことを言い訳にして、患者さんへの対応がおろそかになってしまっていたと反省しました。
その後、Aさんから「いろいろうるさいことを言ったけどさ、○○さん新人でしょ?すごく頑張ってるんだから、辞めちゃだめだよ。初めはみんなできないことだらけなんだからさ。頑張って、応援してるから。」と、温かい言葉をいただきました。毎日、仕事ができない自分に対して不甲斐なさを感じますが、この言葉を胸に頑張っていける気がした出来事でした。