新人が語る心に残る看護場面
2021.11.04 毎日勉強
私が点滴の技術を独り立ちしたころの話です。私は、忙しさと疲労に押しつぶされそうになっていました。点滴を独り立ちすることはできましたが、いざ1人で実施するとうまく滴下しなかったり、時間指定の点滴を忘れそうになってしまったりと、焦ることがたくさんありました。
そんな中点滴がうまく滴下せず焦っていた時、Aさんが「大丈夫か。まだまだ勉強だな。」とおっしゃいました。私は「あー、私は患者さんにも心配されちゃってるんだな…。」と思い、落ち込みました。しばらくAさんを受け持つ機会が続きました。その間に、点滴もスムーズに実施できるようになっていきました。するとAさんが「お~。スムーズになったな。毎日勉強しているからだな。毎日勉強。それが大事。おれは職人だから、手を見ればいろいろわかるんだよ。君はきっと成長していけるよ。」とおっしゃってくださいました。
忙しい毎日で、勉強がおろそかになっていた時期でした。Aさんの言葉を聞いて、患者さんは私たちの行動をよく見ているのだな、と思いました。そして自分では気づかなかった、自分の成長を実感することができました。患者さんの期待に応えられるよう、これからも成長していきたいと思った瞬間でした。