新人が語る心に残る看護場面

2022.06.29 リハビリ

感染性腸炎疑いで緊急入院されたAさん。Aさんは入院前から腹痛が続いており、トイレ以外はベッドで臥床して過ごされていました。髭は伸び、歯磨きを促しても行わない状態でした。

Aさんと入院前の生活のことを話していると、元々身の回りのことは全て自分で行い、車の運転もされていた様子でした。現在ではトイレに歩いて行くにもふらつきがあり、看護師が付き添って歩いていました。「退院後は2階のパソコンやWi-Fiを使いたいんだ」という言葉が聞かれ、Dさんと階段の上り下りができるよう、歩行訓練を行うことを目標に訓練を開始しました。そして身だしなみを整えることも声をかけ始めました。23週間ほど続けると、歩くときにふらつきが見られなくなり看護師の介助がなくても歩行できるようになりました。そして病棟の階段も上り下りできるようになったのです。

業務で一杯一杯になってしまうことが多いですが、患者さんとどうしたら自宅に退院できるのか一緒に考えて、そして毎日数分ずつでも歩行をするだけでこんなにも変わるのだということがわかりました。看護師としてできることは数多くあります。でも患者さんに必要なケアに気づいたり、ケアしたりしなければ始まりません。私たちの関わりが、患者さんの今後を大きく左右するのだと学びました。今後もこんなケアをしていきたいと思いました。

バックナンバー

2024.11.12 患者さんに寄り添うこと

2024.08.15 聞くという看護

2024.07.08 信頼関係を築く上で大切なこと

2024.06.11 産婦さんとの関わり

2024.01.11 足湯

2024.01.11 プリセプターからの教え

2023.12.01 術前訪問

2023.12.01 コロナ禍での看護

2023.10.30 患者さんから教えてもらったこと

2023.10.30 患者さんの望みを尊重した関わり