新人が語る心に残る看護場面
2022.09.13 今の自分にできること
気道がん、気道狭窄があるAさんについてです。Aさんが転入してきた日の夜勤で受け持ちになりました。消灯前までは、「少し息苦しい」と軽度の呼吸困難感がある状態でしたが、消灯後に呼吸困難感がさらに強くなっていきました。医師からの呼吸困難時の指示がなく、薬剤によって症状改善を図ることが難しかったため、私はまずAさんの側にいることにしました。Aさんの様子をうかがいながら、姿勢を変えたり呼吸法を促したりしました。一度落ち着いたところで、夜勤のリーダーさんとAさんの呼吸困難感への対応を相談しました。私は休憩中も文献などで調べて、今自分にできることを考えていました。休憩が終わり、再びAさんの元へ伺うと落ち着いていた様子でしたが、しばらくすると再び「息苦しい」とAさんからナースコールがありました。私は先輩と相談したり、自分で調べたりしたタッチングや呼吸がしやすくなる体位、喀痰の排出を促すことなどをしました。少しずつAさんの呼吸困難感は落ち着き、朝まで過ごすことができました。
朝Aさんの検温をしていると、「あなたが今日の受け持ち看護師さんでよかった。」と言っていただき、とても嬉しかったことを覚えています。自分に何ができるのかを考えたこと、そして足りないことは学習したり先輩に相談したりして対応できたから、Aさんの症状が改善し安心感につながったのだと思います。
まだまだ新人看護師の自分にできることは少ないです。しかし一人一人の患者さんの状態を見て、「どうしたらいいのか。今の自分に何ができるのか。」を考えて実践することの大切さを学びました。