新人が語る心に残る看護場面

2023.03.08 患者さんの要望を知るために

褥瘡があり連日処置をしているAさんについてです。Aさんは褥瘡による疼痛があり、筋力低下により体動も困難でした。しかし、ナースコールを押してくださっても、すぐに対応できる状況ばかりではなく、Aさんを待たせてしまうことがあり、ご本人が「忙しいのにごめんなさい。」と発言されることがありました。夜勤、日勤と連続でAさんを受け持たせていただいた際に、Aさんと私が同じ年だということを本人に話すと、高校時代や入院する前のことで話すことが多くなり、本人からの要望も細かく教えて頂けるようになりました。数日後、本人から「家族や友達には話せないことでも同い年のあなたには話しやすい。いつも話を聞いてくれてありがとう。」と涙ながらに話してくださいました。その時、Aさんは家族や友達には、今の自分のこの状況を話してもわかってもらえないという精神的ストレスを抱えていると知りました。今の私にできることはAさんと話す時間を作り、少しでも要望に応えられるようにすることだと思い、受け持ちの際は少しの時間でも多く訪問して話すようにしました。今までは不慣れな業務にばかり集中してしまうことが多かったのですが、Aさんとの関わりを通して身体的、精神的ケアは重要で、患者の一番そばにいるからこそ状態を把握して、その人に合わせたケアを行うことの大切さを学びました。

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