新人が語る心に残る看護場面
2023.03.28 患者さんの気持ちに寄り添う
初めての夜勤の時に大腸がん末期のAさんを担当させて頂きました。深夜帯になり、呼吸苦の訴えが多くなり、体動が強く、大声を出されるようになりました。Aさんはもともと化学療法を行っており、中心静脈カテーテルを挿入されていました。ルートに対して理解はありましたが、ナースコールについて認識することができず安静を守れない状況であったため、安全のために抑制帯を使用していました。大きな声で「外して。苦しい。」と言われましたが私は業務に追われて安全のために外せないという説明しかできませんでした。業務が落ち着いた頃、患者さんのところへ訪室した際に同じように「外して。」と言われました。業務も落ち着いていたので抑制帯を外し、ベッドサイドで見守りをすることにしました。すると、「ありがとう。さびしかった。」と言われました。私は安全のために抑制をしていましたが、患者さんにとってはとても苦痛になるものだと改めて気づくことができました。また、話やタッチングなどを行うことで、落ち着き、入眠することができました。
業務に追われていても患者さんの気持ちを考えながら仕事をすることが大切だと学びました。