新人が語る心に残る看護場面
2023.03.28 感謝の一言
心不全で入院していた患者さんのことです。心不全のうっ血改善のためにAさんは利尿剤を静脈注射していました。排尿回数も多く、昼夜問わず尿意あり頻繁にトイレに行っていました。利尿剤でうっ血の改善をする際には尿道カテーテルを入れる方も多いのですが、Aさんは過去に尿道カテーテルで痛い思いをしたことがあり、挿入するのを拒否されていました。その代わり30分から1時間おきにトイレに行かなくてはならない状況でした。もともとのADLもそれほど高くなかったため、トイレに行くときは看護師が車椅子で介助をしていました。Aさんは夜中にトイレに行くため思ったように眠れない状態でした。看護師も夜中のトイレ介助は大変だなと思うことがあり、Aさんにとってもこれでいいのかなという思いがありました。
治療してしばらくしてから、うっ血の症状も落ち着いたためAさんは退院になりました。私はAさんの退院日に担当でご家族にもお会いしました。家族に会ったAさんが「この子には世話になったんだ。何回もトイレに行くのに手伝ってくれてほんとに頭が上がんないよ。」と私の方を見ながら話していました。あの時にがんばって介助してよかったと思いました。患者さんからの感謝の一言で私自身が「また頑張ろう」と思えた瞬間でした。