新人が語る心に残る看護場面
2023.04.27 患者さんの思いに寄り添って
骨髄炎のため入院されたAさんの下肢はいずれ切断予定であり、人工呼吸器を装着していました。意識ははっきりしていましたが、気管切開のため話すことができず、筆談でコミュニケーションを行っていました。入院が長期化しており、受け持ったときに、洗髪することを提案すると「久しぶりだからうれしい。」と、とても喜んでくださいました。また、10日ほどして再度、受け持ったときに洗髪を提案すると、「この間、Yさんがしてくれたぶりだよ。いつもありがとう。」と喜んでくださいました。入れ替わりの激しい病棟ではありますが、長期入院となった患者さんにもケアを怠らず、最善の看護を提供していきたいと思いました。
頸髄損傷のため入院されたBさんは手足の麻痺でナースコールが押せず、ボイスコールを使用していました。昼夜逆転がみられ、夜間に覚醒している間はコールが多くあり、連日夜間は薬剤で入眠を促していました。ある日、夜勤で受け持った際も日勤から引き継ぐ頃より覚醒して頻繁にコールがありました。対応すると「何もない。」と言うこともあるため私は入院により不安なのだと考えました。そのため、コールがあった際には傾聴し、近くにいるから安心してくださいと伝えました。また、部屋の外でBさんから見えるような位置になるべく居るようにしました。すると、夜間も入眠され、薬剤を使用しなくても朝まで過ごすことができました。患者さんの行動には必ず理由があると思うので、思いを傾聴し対応していく必要があると学びました。