新人が語る心に残る看護場面
2023.08.17 ユマニチュード
小脳出血後のAさんについてです。発症して5日目に転入してこられました。何度か担当する機会がありました。
Aさんは既往に認知症があり、加えて今回の小脳出血による高次機能障害からさらに認知機能の低下がみられました。Aさんはもともと穏やかな性格の方でしたが、食事介助で口を固く閉じてスプーンを追い払うことや体位変換時に手をバタバタして大声を発するなどケアに対して拒否的な言動がみられました。
先輩看護師から「ユマニチュード」が効果的であると聞いて「ユマニチュード」を意識した関わりを始めました。話かけ方や触れ方、視線を意識するだけでなくAさんがどのような人柄でどのような人生を歩んできた方なのか、Aさん自身を見つめて関わりました。その結果、体位変換でバタバタすることや大声を発することが大幅に軽減し、食事介助時には穏やかや表情や笑顔、「ありがとう」と声を発する様子が見られました。
私自身の行動や看護を振り返り、忙しさを理由に患者さんとしっかり向き合えていない時があるように感じました。今回の経験を通して、忙しい時でもその人自身を見つめ、向き合った看護をしていきたいです。