新人が語る心に残る看護場面
2024.01.11 足湯
心不全で入院しているAさんについてです。心不全により労作での呼吸苦があり臥床時間が長時間になっていました。筋力低下が著しかったため、日中は車椅子に移乗し離床時間を増やしていくことが課題でした。
当時入職して2か月程度だった私は、ベッドに戻りたいというAさんに対して「リハビリだからもう少し頑張りましょう」という声掛けしかできませんでした。しかし、同様の訴えを先輩看護師にしている際に先輩は「じゃあ足湯か手浴をして気分転換するのはどうですか?」という提案をしていました。Aさんは、毎日全身清拭でありシャワー浴は入院してからしていませんでした。Aさんからは「足湯がしたい」と返事があり、足湯をすることでリラックスできたのかベッドへ戻りたいという訴えが収まり、車椅子乗車を継続することができました。
患者さんからの訴えに対して、自分の考えを説明するだけでなく、患者さんがどうしたら離床を継続できるか、安楽に過ごせるかを考えることが大切であると学ぶことができた場面でした。それからは、患者さんとのコミュニケーションをより大切にし、その人にとって安楽なケアとは何かを患者さんと一緒に考えることを意識しています。これからもより患者さんの意思を第一に考えられる看護師になりたいと思います。