新人が語る心に残る看護場面

2025.03.10 苦痛を和らげる看護

大腿骨転子部骨折に対し、人工骨頭置換術をされたAさんについてです。Aさんは、手術が終了後に疼痛が強く「痛い痛い、この痛みはどうしたらいいの、痛み止めは使えないの。」と何度も涙を流しながら話していました。しかし、Aさんは薬剤アレルギーがあり、使用できる薬剤に限りがありました。血圧も高く、涙を流して痛みに耐えるAさんを見ているのがとても辛かったです。その時、Aさんが「看護師さん、私はお話が大好きなの。」とゆっくり話をしてくれました。職業の話や家族の話、今回の手術がAさんの中でとても不安であったことを話していました。Aさんは、職業や家族の話をする時に笑顔を浮かべていたので、その話に踏み込んで私も話を聞いていました。

話を聞いていると、30分程経っていました。その時リーダーの看護師から「あれ、血圧下がったね、痛みどうかな。」と声をかけてもらいました。モニターを見ると血圧が下がっているのに気が付きました。Aさんに痛みについて聞くと「痛みなんて忘れてたわ、お話たくさん聞いてくれてありがとう、あなたがいてよかった。」と笑顔で言葉をかけてくれました。Aさんは痛みに耐えながらも、そのような言葉をかけてくださったので温かい気持ちと、看護師になってよかったという思いになりました。患者さんの個性に着目することで苦痛を少しでも和らげる看護ができるよう、日頃から患者さんとの関わりを大切にしていきたいです。

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2025.03.10 苦痛を和らげる看護

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2024.01.11 足湯

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2023.12.01 術前訪問