新人が語る心に残る看護場面

2019.03.27 幸せのおすそわけ

いつもと変わらず日勤を終え、記録のために座ってパソコンを打っていました。すると先輩看護師が「みんなに幸せのおすそわけだよ。」と言いながらステーションに入ってきました。私は“何だ?”と耳を傾けると「虹だよ、2つ。ダブルレインボー!」と先輩。そのとき私は『自分も見たい!』という気持ちと『患者さんにも見てほしい』という2つの気持ちになり、今日の受け持ち部屋に行き、虹が2つ出ていることを患者さんに伝えました。ベッド上安静の患者さんはちょうど窓側のベッドで、虹が見える位置だったので一緒に見ました。
『ベッド上安静のAさんにも見せたい!今日の受け持ちでもなかったし、プラマリーでもないけどいいかな』と思いAさんの部屋に行きました。Aさんは虹が見える位置とは反対の位置にいました。首を回して見れる方でもありません。輸液ポンプもついていました。まだ、輸液ポンプ操作は独り立ちできていない私だったので『ポンプを勝手に動かしていいのかな。』など不安に思いながら、自分で動かせる程度にベッドやポンプを動かしました。その時、夜勤の先輩看護師が部屋に来たので「虹を見せたくて・・・。」と伝えると、「ありがとう!一緒にやろう!」と言ってくれました。私はAさんのベッドを先輩と一緒に逆向きに変え、Aさんと一緒に虹を見ました。「虹?あぁ・・・見えるよ・・・すごい」とAさんがそう言った時、本当に嬉しかったです。同じ部屋の面会にいらしていた方から「こんな風にして虹を見せてくださる看護師さんがいて素敵ね。」と言っていただきました。“やってよかった。虹だけだとしても、入院中にこんな小さなことでも喜んでいただけて嬉しい!”と思いました。Aさんはその後、転院されました。

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