新人が語る心に残る看護場面
2023.03.08 患者さんの行動には理由がある
骨髄炎のため入院されたAさんは、下肢を切断予定であり、人工呼吸器を装着していました。意識ははっきりしていましたが、気管切開のため話すことができず、筆談でコミュニケーションを行っていました。入院が長期化しており、受け持ったときに、洗髪することを提案すると「久しぶりだからうれしい。」と、とても喜んでくださいました。また、10日ほどして再度、受け持ったときに洗髪を提案すると、「この間、吉田さんがしてくれた以来だよ。いつもありがとう。」と喜んでくださいました。患者さんの入れ替わりの激しい病棟ですが、長期入院となった患者さんにもケアを怠らず、最善の看護を提供していきたいと思いました。
頸髄損傷のため入院されたBさんは、手足の麻痺でナースコールが押せず、ボイスコールを使用していました。昼夜逆転がみられ、夜間に覚醒している間はコールが多くあり、夜間は連日薬剤で入眠を促していました。ある日、夜勤で受け持った際も、日勤から引き継ぐ頃より覚醒して頻繁にコールがありました。対応すると「何もない。」と言うこともあるため、私は入院により不安なのだと考えました。そのため、コールがあった際には傾聴し、「近くにいるから安心してください」と伝えました。また、夜間は部屋の外でBさんから見えるような位置になるべく居るようにしました。すると、夜間も入眠され、薬剤を使用しなくても朝まで過ごすことができました。患者さんの行動には必ず理由があると思うので、思いを傾聴し対応していく必要があると学びました。