私たちのめざす看護
私たちの看護
2017.01.26
患者様の隣にいるということ
耳鼻咽喉科・泌尿器科病棟は、喉頭癌、咽頭癌、膀胱癌などの悪性腫瘍の患者 様が多く入院しています。「がん」の患者様は皆、一生懸命に治療に臨み、時に
4F 、 テーブタッ は人生について悩み苦しみながら、ここでの入院生活を送っています。がんにな ったことで、仕事を休んだり友人と会うことができなくなったりと、生きる上で 大切にしてきた様々なことと距離を置かなくてはいけません。「大切にしてきた こと」は、患者様ひとりひとりが違いますが、わたしたち看護師は患者様が声に 出さなくても「大切にしてきたこと」を感じられる瞬間があります。それは、ベ ッドサイドで患者様の隣にいるときです。テーブルに飾られている家族やペットの写真、お孫様が描いてくれた患 者様の似顔絵と「がんばって」のメッセージ、ベッドに置かれたぬいぐるみと使い慣れた枕、仕事で使っているパ ソコンと積み重なった書類など、患者様のまわりには「大切にしてきたこと」がいつもあります。看護師がそれら に気づき、「ご家族の写真楽しそうですね」「誰にもらったぬいぐるみですか?」「お仕事がんばっていますね」 と声をかけると、患者様は笑顔になって沢山語ってくれます。患者様が「大切にしてきたこと」に看護師が触れる こと、それは、患者様がこれからも生きていく上で「大切にしていくこと」を再認識する場であり、笑顔で語られ るホッとしたその瞬間は、治療のつらさを和らげる力もあります。また、人生に悩み苦しんでいるときには、そっ と背中を押し道筋を立てるヒントを与える力もあります。
私たち看護師が、ベッドサイドで患者様の隣にいるということは、つらい治療や悩みについて、同じ時間をとも にすること、同じ思いをともに分かち合うことです。良い時も悪い時も、看護師はいつも隣にいます。がんの患者 様が「大切にしていくこと」を大切にしていけるように、これからも患者様の隣で寄り添い支援したいと思います。
B4E病棟 藤井すみれ
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