私たちのめざす看護

私たちの看護

2016.05.25

患者さんのいちばん近くにいる存在

初めての入院、初めての手術。病院には漠然とした不安を抱きながらたくさん の患者さんがきます。皆さんは、入院するならどんな看護師さんたちがいる病院 がいいですか?私は、明るくて雰囲気のよい看護師さんたちがいる病棟がいいで す。
私たち看護師は、医師のように治療を決定することはできませんが、患者さん の傍らでお話を聞き、患者さん自身が治療を決めていくサポートができます。 今、感じている辛い症状を和らげられる手立てを知っているかもしれません。医 師には遠慮して言えないことを私たちが代弁することで、今後の治療をより良い方向へ向けるかもしれません。そ う考えると看護師は患者さん、ご家族にとって、いちばん近くて相談できる医療者なのだと私は思っています。 私たちが近くにいる存在と感じることができた忘れられない患者さんがいます。 その患者さんは、全盲であり、食事も更衣もすべて介助が必要な状態でした。とても遠慮がちで『あとでもいい わよ。ありがとう』といつも笑顔で過ごされている方でした。ある日のこと、緩和治療の話が出ました。一旦はご 家族の負担を思い、転院を納得されたようでしたが、看護師が患者さんの思いを聞くと『家にもう一度帰りたい』 と話されました。その思いをご家族に伝え、医師を含めて話し合い、患者さんの希望どおりに自宅に帰れることに なりました。 患者さんの本当の気持ちを聞けたこと。気持ちに寄り添って看護できたこと。笑顔いっぱいで帰られた患者さん の姿が忘れられません。これからもいちばん近くにいる存在でいたいと思います。

B4西病棟 看護師

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