私たちのめざす看護
私たちの看護
2012.08.20
「糖尿病看護外来とは」
現在、私は内分泌内科の病棟で主任として勤務しています。日々の看護実践を 通し、慢性疾患である糖尿病看護の楽しさ、難しさを常に感じています。
週に1日看護部から活動日を頂き午前中は看護外来を行っています。 看護外来では、フットケアを中心に糖尿病に関する療養相談を行なっていま す。
通常の慌しい外来診察室とは違い、プライバシーの保たれた静かな環境で患者さんや家族の方と一緒に足のケア をしているとそこからいろいろなことが見えてきます。
一人の患者さんを紹介します。Aさんは、70代の男性で左足潰瘍、右足第4趾巻き爪に伴う爪周囲炎で受診され ました。Aさんは、認知症があり身の回りのことは全て奥さんが行なっていました。多分、足もかなり痛かったの でしょう。奥さんが何かしようとすると睨み、乱暴な口調で怒鳴ることがありました。
しかし、不思議な事に糖尿病看護外来に来ると、笑顔を見せてくれるのです。月に1回の外来ですが、3回目には 私の顔を覚え、廊下であっても「やぁ」と手を振ってくれます。奥さんは「看護外来は、何か自分にとって良いこ とをしてくれる場だと思っているみたい」と話してくれます。
足を他人に見せるということは、勇気がいることです。心を開かないとなかなか他人に足は見せたくないもので す。私は、足のケアを通して一人一人の患者さんの全体像を把握し個人に応じた看護を提供したいと考えていま す。慢性疾患である糖尿病と付き合っていくことは容易なことではありません。普段患者さんが思っていること、 考えていることを表出し、患者に寄り添う糖尿病看護外来でありたいと考えています。
糖尿病看護認定看護師 松尾 美穗
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