私たちのめざす看護

私たちの看護

2022.07.29

患者さんとそのご家族に寄り添う看護を目指して

D3病棟は、消化器内科・眼科・免疫血液内科からなる混合病棟です。

消化器内科では、肝胆膵疾患や上下部消化管疾患で内視鏡的治療や化学療法目的の患者さんから、悪性腫瘍の終末期医療・緩和ケアが必要な患者さんまで幅広く入院されています。

眼科では、白内障や硝子体病変、網膜剥離で手術をされる患者さんが入院しています。

免疫血液内科は白血病やリンパ腫などの造血器疾患で化学療法を行っている患者さんが多く、多摩地域では造血器疾患の入院治療を行っている数少ない病院となっています。

病棟の特性上、入院期間が短期になる患者さんと1カ月以上の長期に及ぶ患者さんが混在しています。そのような中、Aさんも造血器疾患で長期に渡って入院していました。化学療法を実施後、状態が悪化しクリーンルームに入室となりました。クリーンルームは基本的に病室から出ることは難しく、床上で過ごすことが多くなりがちです。入院前より筋力が落ちてしまうことも多く、中にはせん妄を併発してしまう方もいらっしゃいます。そのため、ベッドサイドで積極的にリハビリを実施し、特殊な環境の中でなるべく日常を維持出来るようケアに当たりました。

クリーンルームに入室中は、感染防止のために面会することができません。しかし、Aさんは病状の進行から急変の可能性も高く、ご家族に会えるのは今しかないと考え、Aさんやご家族に面会への希望を聞きました。Aさんもご家族も「会いたい。」との言葉が聞かれたため、看護師と主治医でカンファレンスを行いました。そして主治医からAさんとご家族に感染のリスクを説明し、ご理解いただいた上で面会してもらいました。面会では、お互いに涙を流されていました。ご家族からも面会後、「面会出来てよかったです。ありがとうございました。」という言葉が聞かれました。

患者さんだけでなく、ご家族も患者さん同様に入院や病気に対する不安も大きいと思います。そのため、ご家族にも寄り添う看護をこれからも実践していきたいと思います。

 

D3病棟 酒井賢一

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