私たちのめざす看護

私たちの看護

2023.03.08

患者さんの意思決定を支援する 

第二外来では、呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、眼科の患者さんの診療を行っています。複数の科があり、患者さんの対応も多岐にわたるため医師と連携しながら対応しています。

私が対応した患者さんの中で、消化器系のがんの手術を受けた後、食事が摂れなくなり入退院を繰り返している方がいました。主治医は「化学療法がうまく進まなくなってきており、選択肢も限られてきている。」とご本人と奥様にお話ししていました。しかし、カルテを確認すると、ご本人やご家族が今後の治療方針についてどのような意思を持っているのか医療者側が明確に把握できていないことに気が付きました。そのため私は、外来でご本人と奥様にお話を聞くことにしました。お二人ともご高齢で、ご本人は「つらいことはもうやりたくない」という希望があり、奥様は、外来通院や、繰り返している入院のサポートをするのがつらい様子でした。ご本人とご家族が望む療養の形を支援するために、退院支援看護師、緩和ケア認定看護師、病棟看護師と情報を共有し、どのような状態であれば自宅で安心して過ごすことができるのかということを検討しました。また、主治医とも連携し、ご本人やご家族が今後の方針を自ら選択できるように、何度か説明の機会を設けていただきました。その結果、ご本人から「今後は、つらいことや痛いことはもうしたくない」という思いが聞かれたため、緩和治療のための病院へ転院するという選択になりました。

外来では、病棟のように一人の患者さんを長く看ることはなく、入れ替わりで来られる患者さんに次々と対応していくため、私自身、看護師として何ができるのだろうと悩んだ時期もありました。しかし、外来通院のなかでも援助を必要としている方は多く、私が対応した方のように、現在の治療が本人の望む形でない場合もあります。そういったときに、医師の説明をどのように理解しているか、どのような思いでいるか知るために、実際に自分自身が患者さんと話してみて気づくことが重要だと感じました。看護師が介入して他部署と連携をとることで、患者さんが必要としている看護を提供できたのではないかと思い、看護師としてやりがいを感じる出来事でした。

第二外来 春山和花奈

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