私たちのめざす看護

私たちの看護

2023.04.19

患者さんの「想い」をキャッチし、一人一人に合わせた看護を目指して

D4病棟は、脳神経外科、脳神経内科、内分泌代謝内科、消化器外科からなる外科と内科の混合病棟です。入院される患者さんの中には脳血管疾患を発症し、意識障害や麻痺などを生じて、声を発して何かを伝えることや思うように体を動かすことができない人もいます。そのため、私たちは患者さんの「想い」をキャッチする必要があると考えます。

患者さんの「想い」をキャッチすることは、脳血管疾患を発症した患者さんも、自由に話をして、体を動かすことができる患者さんにも必要なことです。特に声を発して伝えることが困難な患者さんの場合は、「何を訴えたいのか」「どのようにしたいのか」など、患者さんの立場に立って、あらゆることを考えてケアに臨みます。

Aさんは言葉を発することができず、私たちに口パクで訴えていましたが、思うように伝わらず、時には途中で訴えを諦めてしまう時もありました。そんな時、「何を訴えたいのか」Aさんの立場に立って考えることで、徐々にAさんの「想い」をくみ取ることができるようになりました。その結果、笑顔が少なかったAさんの表情が明るくなり、変化が見られました。最終的には、Aさんが私たちに伝えようとする前に「何を訴えたいのか」を先読みして、声をかけられるようになり、Aさんの「想い」をキャッチできるようになりました。

患者さんの「想い」をキャッチすることは容易なことではありませんが、患者さんが抱えている背景に着目し、表情や行動を注視していくと、徐々に患者さんの「想い」をキャッチできるようになります。すると、患者さんは安堵な表情をするため、私はとても嬉しく思います。そして、患者さんからの訴えだけではなく、医療者側からも「声が出せなくても、どのようにしたら会話ができるのか」「手足が動かせなくても、どのようにしたら入院前の生活に近づけることができるのか」など、様々な問題について多職種でカンファレンスを行います。

私は患者さんの「想い」をキャッチし、一人一人に合った看護を提供することで、安心して療養生活を送ることができ、病状も回復に向かうのではないかと考えます。これからもスタッフ一丸となって、患者さんの「想い」をキャッチし、患者さんに寄り添い、一人一人に合った看護を提供できるようにしていきたいです。

 D4病棟  青栁 枝里子

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