新人が語る心に残る看護場面

2021.06.10 家族とともに

人工呼吸器を装着しているAさんとの話しです。少しずつウィーニングをかけ、人工呼吸器からの離脱を1つの目標としていました。しかしその途中で痰がつまってしまい、苦しくなることがありました。それからAさんはウィーニングをかけることに恐怖を感じるようになりました。医師が人工呼吸器に触れようとするだけで、呼吸数が増加してしまうほどでした。それでも治療を進めるには、人工呼吸器を離脱する必要があります。人工呼吸器を外すリハビリの時間を具体的に設定し、その間は私も側にいられるようにしながらリハビリを行いました。しかし、人工呼吸器を外せる時間は15分程度でした。

そこで、ご家族が面会に来る時間に合わせて、リハビリを行うことにしました。するといつもは15分が限界だったリハビリが、45分まで頑張ることができたのです。ご家族もAさんが人工呼吸器を外すことが上手くいっていないことを知っていたため、Aさんに一生懸命声をかけていました。Aさんもそれに応えようと、いつもよりも落ち着いて呼吸することができていました。そして45分頑張れたことをAさん、Aさんのご家族と一緒に私も喜びました。

このAさんとの経験から患者・看護師だけでなく、ご家族も一緒に治療に参加することは、時に薬などの治療よりもはるかに効果が得られるということを実感しました。これからも患者さんだけでなく、ご家族にも耳を傾けて看護できるように心がけていきたいと思います。

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