新人が語る心に残る看護場面

2023.03.08 初めて患者さんの笑顔を見た日

少し仕事にも慣れ始めた9月頃の話です。もともと施設入所中のAさんは、施設で転倒し救急搬送され頸椎損傷の診断で入院となりました。頸椎固定の術後に呼吸状態が悪く、気管切開をして人工呼吸器を装着していました。そのようななかで、リハビリを開始し、介助で端座位がとれるようになりました。日中はなるべくリハビリを行い、看護師の介助で車椅子へ移乗を行っていました。車椅子への移乗方法も最初はスライダーを使用していましたが、抱え込みで実施することができるようになりました。その頃から日中は人工呼吸器を離脱できることも可能になりました。リハビリをがんばっていることにより呼吸状態も改善してきていることを伝えると、笑顔で「ありがとう」と伝えてくれました。

その後もリハビリを継続していると、「口からものが食べたい。」と訴えてきてくれた日があり、医師に確認の上でとろみ付きの水を経口摂取しました。入院後、2週間ぶりの経口摂取でした。とろみ付きの水でむせることなく嚥下することができ、それをきっかけに嚥下リハも始まりました。水を飲んだ時に涙ぐみながら「美味しい、美味しい、ありがとう。」と目を見て伝えてくれました。リハビリにより呼吸状態も良くなり、経口摂取を始めるなど日々、病状が改善していくAさんをみることができてうれしかったと同時に、患者さんの笑顔と感謝の言葉が看護師のやりがいだと感じました。

入職して初めて自分が看護師になってよかったと思えた場面でした。

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