新人が語る心に残る看護場面
2020.10.30 生きる力
「今夜か明日が山場かもしれない。」
状態が悪化し、医師からもそのように話されていたAさん。意識もほとんどなく、高濃度の酸素投与がされていても酸素の値が安定せず、緊迫した状況が続き、「もうだめかもしれない。」と誰もが思ってもおかしくない状況でした。しかしAさんは山場を乗り越えました。
その後の回復ぶりは目を見張るほどでした。次第に状態は改善し、2か月を経った頃には酸素投与をしなくてもよくなったことに加え、車いすでトイレへ行くこと、口から食事を摂り、他の患者さんと笑顔で会話をする姿まで見られるようになりました。
私はこの回復過程を通して、人間にはもともと「生きよう」とする力が備わっており、可能性は計り知れないと思いました。そしてどんな状況にあっても、患者さんの生きる力を私が引き出すにはどうすればよいか、考え続けていきたいと思います。