新人が語る心に残る看護場面
2026.07.30 患者さんの希望に向き合う看護
私は、手術後、誤嚥性肺炎を併発し、思うように身体を動かすことができなくなった患者さんを受け持ちました。患者さんは経口摂取が困難な状態であり、禁食となっていました。患者さんから「漬物が食べたい、食べられないことが辛い。」と訴えがありました。医学的・安全面を考えるとすぐに希望を叶えることはできませんでした。でも、その言葉の背景には「元の生活に戻りたい」「生きる楽しみを失いたくない」という思いがあるのではないかと感じました。
私は「今はまだ食べられないけれど、食べるために呼吸を整えて行きましょう」と伝え、離床やリハビリへの意欲につなげる関わりを意識しました。病棟での歩行訓練をする際には、患者さんに食事が再開できる可能性や、そのために必要な回復の過程について丁寧に説明しました。患者さんが前向きな目標を持てるようなコミュニケーションを心がけました。患者さんはリハビリに積極的に取り組むようになり、表情にも少しずつ変化が見られるようになりました。
この経験を通して、患者さんの訴えをそのまま叶えることができなくても、その思いを否定せず、希望を別の形で支えることも看護師の大切な役割であると学びました。身体的な回復だけでなく、生きる意欲や希望を支える関わりが、患者さんの回復過程に大きく影響することを実感しました。今後も患者さんの言葉の奥にある思いに目を向け、一人ひとりの希望に寄り添った看護を実践していきたいです。