私たちのめざす看護
私たちの看護
2014.03.05
「患者さんとの出会いから学んだこと」
B3西病棟は、病床数が42床の消化器外科病棟です。手術目的の入院が多く、 手術が決定してからの術前準備と術後合併症予防のための看護を提供できるよう 日々頑張っています。しかし急性期だけではなく、術後の化学療法や根治的化学 放射線療法あるいは、疼痛緩和のための慢性期の患者さんも多くいます。そし て、この病棟で終末期を迎える患者さんも少なくはありません。
私は新人のころからB3西病棟で勤務をしています。あと数ヶ月で5年目を迎 えますが、この4年間たくさんの患者さんとの出会いと別れがありました。まだ新人看護師の頃、大腸癌の手術を 受ける患者さんの手術当日を受け持ちました。その患者さんは初めての手術のため、とても緊張していました。緊 張している患者さんに対して私は、「初めてのことですし、おなかも切らなければならないのでとても不安だと思 います。手術の後は、先生からお話もあったように痛みがあります。それ以外に辛いこともあるかもしれません が、いつでも力になるので一緒に頑張りましょう。」と言葉をかけ、握手をして送り出しました。その患者さん は、術後の経過も順調で元気に退院していきました。しかし、3年後に大腸癌の再発と転移のため、抗癌剤治療が 開始になりました。3年目の看護師になった私に患者さんは「久しぶり。再発しちゃってね…手術の時ね、あなた が一緒にいてくれたからきっと大丈夫って思えて頑張れたの。もう一人前の看護師さんになったのね。またこれか らもよろしくね!」と言葉をかけてくださいました。患者さんへの言葉かけ一つひとつは大切な看護であると実感 しました。
「立派な看護師になったね」と言ってもらえることはとても嬉しく感じます。しかし元気に過ごされている患者 さんだけではなく、治療の効果が得られずに、最期を迎える方もいます。長い闘病生活を一緒に過ごした患者さん との別れは辛く、涙を我慢することができません。様々な患者さん達との出会いの中で、“もっと何かできたので はないか”という思いもあります。これらの経験は、看護師としてもっと成長したいと思う原動力になっています。 少しでも患者さんの力になれるよう、学習を重ねていくとともに、笑顔と言葉を大切に看護をしていきたいです。
B3西病棟 加藤 綾
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