私たちのめざす看護

私たちの看護

2014.11.12

糖尿病患者に対する外来指導の充実を目指して

近年、社会的な傾向として糖尿病患者は増加しており、自宅での自己管理が必 要となるケースが多く患者指導の機会が増えています。
Aさんは、70代男性で妻と二人暮らし。糖尿病コントロール不良で、合併症に よる視力低下のある状況でのインスリン自己注射と、血糖測定が必要になりまし た。患者自身「目も見えずらいし、細かいことはできるか不安だ」妻も「あなた のことなんだから自分でやって。針を刺すなんて怖いわ」と不安が強く自分達にはできないという思いがありまし た。「まずは私がやってみるので一緒にやってみましょう」と一連の作業を見てもらい、患者自身にも物に触れて もらう所から始めました。次に説明しながら実際に患者に行ってもらうと、ダイヤルの数字を合わせることや細か いところができませんでした。妻にも一緒に覚えてもらうよう説明し、繰り返し練習しました。一緒に来ていた娘 にも指導し、娘は手技の確立が図れました。患者も妻も助言があれば最後までできるのですが、やはり二人だと不 安だという段階で初回の指導は終了しました。医師に指導結果を報告し娘の協力の得られる時間帯へ注射を変更 し、娘に見に行ってもらうことにしました。一週間後の来院時、血糖測定は指示通り実施でき、測定値の記載もで きている事を確認しました。インスリンは初めの3日間は娘と一緒に行い、後は二人で出来たと報告を受けまし た。再確認のため患者と妻に実施してもらうと二人で一つ一つ確認しながらできており、患者から「時間はかかる けどなんとかやっていけそうだよ。自分のことなんだから頑張ってみるよ。」と前向きな発言が聞かれうれしく思 いました。糖尿病患者への関わりとして患者が自分で自分の問題に気づき、継続して治療を受けられるようにする ことが最も大事となってきます。
外来では限られた時間の中で多くの事を指導しなくてはならず、一方通行の指導になりがちですが、患者の不安 な気持ちに寄り添い、その人の持てる力を最大限に発揮できるようサポートしていきたいと思います。

第1外来 看護師

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