私たちのめざす看護

私たちの看護

2020.12.07

手術室だからこそできる看護

当センターでは、年間約5000件の手術を行っています。

手術に関わるスタッフは様々で、外科医師や麻酔科医師・看護師・臨床工学技士などが、一つの手術を安全に行うために協働しています。患者さんにとって最適な医療を提供するため、看護師がチームの中心となって協力し合う場を整え進めていくことが求められます。

病棟看護との大きな違いは、関わる患者さんの多くが麻酔下で眠っている状態だということです。麻酔下の患者さんは自身の意思を言葉で伝えることができません。その代弁者として、モニターや患者さんの状態から情報を得て看護を行います。それらを実現するため、各疾患とその術式、手術体位や医療機器などについて勉強会を行っています。

また、緊張して手術に向き合う患者さんのメンタルケアも重要な看護の一つです。術前訪問は情報収集だけでなく、患者さんの手術に対する想いを傾聴し、スタッフ間での共有に繋げる大切な時間でもあります。

手術中の体位・皮膚保護・体温管理にも力を入れており、術後訪問により術後の患者さんの経過を追うことで、術中看護の評価をしています。一人の患者さんとは一瞬しか関わることができませんが、その一瞬は患者さんにとって人生の重要な局面であることを忘れず、日々の業務を行っています。

最近よくテレビドラマで見かける手術風景があります。医師に器械を「ばしっ」と渡す看護師を「かっこいい」と思う方も少なくないと思います。私自身手術室を希望した理由はまさに、その姿が「かっこいい」と憧れたからです。ですが実際の現場はそれだけではありませんでした。器械一つ渡すにしても、手術の流れを読み、事前に得た情報・知識をもとにあらゆるパターンを想像し、医師が「ほしい!」と思うものを的確なタイミングで渡さなければいけません。自分の行動ひとつひとつが円滑な手術に繋がり、患者さんが無事に手術を終えた時の達成感は手術室だから感じられるものだと思います。

これからも常に緊張感を持ちながら、チームの一員として、また患者さんと向き合う看護師として、日々笑顔で安全に私たちにしかできない看護を行っていきたいと思います。

手術室  山本麻美

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